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ボーイスカウト活動プログラムの紹介



 私のスカウト時代の経験、またリーダーになってからの経験を通して、例えばキャンプにしても数え切れないほど計画し、実施した経験があるわけですが、これらの経験が、既に中年の大人になってしまった私自身の実生活に、今でも心地よい潤いを与えています。

 ボーイスカウトの活動から今は離れていますが、ボランティアとしていくつかの団体のイベントなどのお手伝いをすることがあり、その中でかつての経験が役に立っていることが多いわけです。

 そこで、ここでは、ボーイスカウト活動のプログラムの例を紹介することにします。

 ここで紹介するプログラムは、私自身の試行錯誤を通して構築してきたものであり、B−Pが築いてきたものや日本連盟が推奨、期待しているものとは違っているところが多いと思います。もし問題があると感じられたら、指摘していただけることを願っております。


             キャンプ

             ハイキング

             隊集会


 総じて言えることと思いますが、ボーイスカウトのプログラムは、身近にあるものを工夫しての遊び、いろいろな趣味、生活の中の課業、各種の専門家や大人が職業として行うこと、そして人々を手伝ったり援けたりする活動などを、ゲームとして取り組み、体験することです。そして、これらの場を大人が準備し、その上でそれらを体験することを課題化し、またそれらの個々の要素を学ぶことを課目化し、その子自身を基準にしてその頑張った量を評価し、級や章という目に見える勲章で称賛するという取り組みがボーイスカウトの進歩制度といえるでしょう。これらの体験は、子どもにあこがれを抱かせることにとても役立ちます。

 すなわち、(1)自分ができることへのあこがれ、自分でできることへのあこがれ ―― 子どもたちが興味を引くようないろいろな事柄が、課題として、また選択肢として、課目に並んでいます。その中から、自分の興味や関心に合致すること、一度はやってみたいと思うこと、また是非できるようになってもらいたいこと等の観点で、それらのチャレンジを勧められます。そしてそれらが、自分の力で、また大人や仲間の励ましやサポートを得て、できた。できるようになった。そしてそれが評価され、皆に称賛された。このような体験、快感が、次には、実生活の中のことで、やってみたい、できるようになりたいという欲求へと発展していきます。同時に、それをするチャンスを与えてほしいという欲求にも発展していきます。それは更に、そのチャンスを自分で開拓する力、自らものごとにチャレンジする力へと発展していくことになるでしょう。

 (2)大人に対するあこがれ、大人になることへのあこがれ ―― ボーイスカウトには、自分が望んだとき、また困ったとき、サポートしてくれる善意の大人が周りにいます。その大人集団には、自分の親も加わります。そんな大人のサポートによって問題解決できたという体験が、また大人の配慮や計らいがあって自分はいろいろな楽しい体験ができたという思いが、大人への感謝と尊敬の気持ちを芽生えさせることになります。更に自分の将来のこととして、そのような大人(その知識や技能を持った大人であり、人をサポートできる大人)になりたいという欲求、なるんだという決意に発展していくことでしょう。

 (3)習うことへのあこがれ、学ぶことへのあこがれ ―― 一つひとつの課目の挑戦と達成をとおして、まねをする・教えを請う・調べる・検証する等の様々な学ぶ手法を獲得していきます。そのうちの調べるということについては、人に尋ねる、から出発し、書籍、百科事典、新聞、テレビ、図書館、インターネット等の活用、更には社会や自然の中から知識や知恵を引き出す方法に気付き、その習慣が確立していきます。人の学ぶ場が、学校だけではなく、学校とは違う学習の場や方法があるということを知った愉快さは、生活の中で気になることや疑問に思うことに出会うたびに、知りたい、調べたいという欲求に転化し、それはわくわくという気持ちを生み出します。このわくわくという気持ちが持つエネルギーは、積極的な行動を促し、人生に豊かさを与えてくれることでしょう。



 [ 1998. 6.20 登載] 

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